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東京に住んでいた頃、千葉県の滝口長太郎氏(通称=長太郎さん)が経営する会社を一年間、コンサルティングさせて頂いたことがあった。
氏は尋常小学校を卒業後、海で海藻を拾う仕事についた。
毎日、リヤカーを引きながら苦労を重ね、幾多の試練にも立ち向った。
極貧からスタートした氏ではあったが持ちまえのチャレンジ精神を発揮し、海藻問屋から、不動産業、中華レストラン、ゴルフ場と経営の多角化に成功し千葉県では有名な実業家となった。
私の父と同年代の長太郎さんは当時30代の私をとても可愛いがって下さった。
仕事の後、私はご自身が経営する西船橋の長太郎飯店でよくご馳走に預った。
長太郎さんが生前、お書きになった「打つ手は無限」という詩がここにある。
「すばらしい名画よりも とてもすてきな宝石よりも
もっと大切なものを私はもっている
どんな時でも、どんな苦しい場合でも
愚痴を言わない 参ったと泣き言を言わない
何か方法はないだろうか 何か方法はあるはずだ
周囲を見回してみよう いろんな角度から眺めてみよう
人の知恵も借りてみよう 必ず何とかなるものである
なぜなら打つ手は常に無限にあるからだ」
この詩を河村会計事務所の月次決算書の裏表紙に毎回印刷して皆様にお届けしている。
今、思い返せば長太郎さんの所でコンサルティングをさせて頂いたつもりだったが、実は反対に私がコンサルティングを受けていたような気がしてならない。
「打つ手は無限」心に響く言葉である。
所長
河村 貴雄