彼は今でも50CCの原付バイクでどこにでも絵の取材に出掛けてゆく。
時には2週間も3週間も野宿をし,
自分が得心できる自然と巡り会うまで旅を続ける。
冬の寒い朝,4時5時に待機し,
山の頂きから朝日が昇るのを待つ。
彼の研ぎすまされた感性が,そのわずかな瞬間に勝負をかける。
そんな時,描いた彼の絵は少くとも
私にとっては他のどんな絵より素晴らしく輝いて見える。
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私の楽しみは,彼が個展を開催するたびに,彼の進化を見い出すことだ。
というのも個展で売買する絵ではなく,
展覧会へ出品する彼の絵にはいつも圧倒される。
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深層心理の爆発である。
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深くて深くてとてもはかり知りうるものではない。
いつもその時点でこいつにはとてもかなわんなと思うのである。
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芸術家としての考え方からであろうが,
携帯電話すら持っていない
彼の清貧とも思える生き方に
日常の「行(ぎょう)」の大切さを思うのである。
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現在,河村会計事務所にある絵はすべて彼の描いたものである。 |