以前、関与先のＡ社長からコンサルティングの依頼を受けた。

 

数あるコンサルティング会社の中から当社を選んで下さった理由は次のとおりだった。

 

「ある日、河村会計事務所の担当者と酒を酌み交わした時、その担当者のモチベーションが非常に高く、我が社には60名の社員がいるが果して、そこまでの意識を持った社員がいるだろうか？」と思ったことがきっかけだったそうだ。

 

私はさっそく、その担当者をプロジェクトのリーダーにし、6名のメンバーを選抜した。

 

いよいよプロジェクトが動き出した。

 

事前の会議を何度も重ね、１年間のタイムスケジュールを作成、まず全社員を対象としたアンケート調査を行い、さらに60名全員と個々にプロジェクトのメンバーが面接を実施した。

 

そこで得たデータを分析し、わかりやすくグラフやチャートを使いＡ社長に会社の現状をありのままに報告した。

 

次にＡ社長の本音を忠実に反映した経営計画書（方針書）を作成して頂くことにした。

 

Ａ社長とプロジェクトのメンバーが合宿でもするかのごとくホテルに泊り込み夜を徹して議論を深め、計画書を完成させた。

 

さらにＡ社のマネジメント会議にプロジェクトのメンバーが毎回同席し、適時アドバイスを行ってゆく手法もとった。

 

またＡ社の全員の考え方のベクトルを合わせる為の研修会も開催した。

 

数ヶ月後、Ａ社長は「社員達の意識改革が徐々に進んできた。

 

期待していたペースより早く成果があがりはじめた。

 

それが係数情報（月次決算書）からもはっきり読みとれる」と語ってくれた。

 

この成功体験は我が社にとっても喜ばしいことであり、これらノウハウの蓄積がひいては関与先企業の発展へとつながってゆくと信じて日々、歩を進めている。

 

河村　貴雄